2006年11月26日

その背中は永遠なる。

その背中は輝いていた。
小雨で煙る味スタの光量をいっぱいに浴びて、
高く腕を空へ突いたその背中は
力強さと誇りに満ちて、触れるでもないのに熱を感じた。
ナンバー10。おれたちのナンバー10。
溢れるもので歪む眼前に、それでも逃すまいと必死に目を凝らした。

ああ、ほんとうに・・・
ほんとうに引退してしまうのか。





私がフミさんに最初に出会ったのは実のところピッチの上
ではありませんでした。その頃フミさんは既に大きな怪我を
していて・・・まさにリハビリ真っ只中。
(まあつまるところ、フミさんの記憶の中のナンバーワンだと
される1試合、2002年開幕戦のフミさんとその直後の浦和戦は
生で見ていないということですね。私はヒロミと共に東京を
見はじめてるのでその前は知らないし。で、その年の最終節まで
フミさんはサブにも入ってなかったわけで)

そんな中、チームの商店街行脚のひとつで、当時住んでいた
ところの近所にやってきたのがおそらく最初?
(途中投入で復帰したのを見たのが先だったか・・記憶が
怪しいのだけど)

とにかく、その商店街行脚のときに見たフミさんは、リハビリも
相当に長いというのに笑顔をまったく絶やさない人だった。
いつ復帰できるのか・・苦しいだろうにそんな陰りは欠片も見せない。
怪我してるなんて嘘みたいな、心配事なんて何もないみたいな、
そういう穏やかさを持っていた。

そのときから、私が見るフミさんというのはいつでも笑顔。
もちろん負け試合後で笑っていられるはずはないけど、
そういうのじゃなくてね。
腐ったり不機嫌だったり、そういうのがひとつもなかったと。
・・我々サポに対してはいつでもそうなんだ。
(選手の話からするとそれは誰の前でもそのようだけども)
心から強い人だなと思った。

サブから少しずつ、復帰すると一試合ごとにその強さというものは
ひしひしと感じられて、気持ちだけでなくそのプレースタイルにも、
あっというまにとりこになった。
どんなに短い時間でも、瞬きの間も、目が離せない。

まっすぐ前を見つめて、姿勢を低く保って守るところがすき。
そのときの、薫るようなオーラ。
ディフェンスラインの隙間をさりげなくフォローする。
自分がいることで、周りが安心して前に出られるように心配る。
年齢と共に重ねた経験で、自分に無理のない範囲でやるべきことを
しっかりとやり、サボることはない。

そうやって始終走る姿を見つめ続けて今現在、自他共に認める
フミタケ至上主義者なのでした。
(まあ他にもスーツ姿が萌えるとか愛読書が西村京太郎なのが
たまらないとかかなり変態入ったどうでもいいアレもあるわけですが、笑)

それはもうフミギャルと自分から言っちゃうほどにフミさんの
一挙動作に夢中(笑)そして盲目。


それが・・・・来年はもう目にすることが叶わない。
チームメイトもみんな言ってるくらいで、まだまだできるのに。
去年、ヒロミとお別れするときだってヒロミも言っていた。
お前なら35までできる、というように言われてから去年35になり、
その場でさらに「お前ならもっとできるよ」と。
あれから1年たったけど、それは今も変わらないと思う。

だけど、数々のフミさんのインタビューを読みながら、
ぐじゃぐじゃに泣きながら、それでもこれは納得するしかないんだと
思った。

「大事にしている場所で、できているうちにやめたい」

そう、まさに今なのだ。

去り際すらもあざやか。



今年最後のマッチデーにあった言葉・・・
「自分がやめることで、このチームが上向く刺激になればいい」
そのことには、正直反論したい気持ちもあるけれど。
だってまだまだおれたちには(私には)フミさんが必要だったから。
確かに責任感の芽生えが感じられるようになってきた、
柱になれる予感がする、そういう選手も出てきたと思う。
だけど今年を見る限り、まだ、もう一歩だ、と思った。
フミさんを継ぐにはまだ足りない。とても足りない。
ナンバー10は未だ三浦文丈だと。
そう思った。

しかし。

これはフミさんからの課題なのかもしれない。
いつまでもおれを頼るなと、これからは自分たちの力で起てと。
そして、勝利を。

時にやさしく時に厳しく、チームの中で常に選手を、我々を
鼓舞し続けたフミさんの変わらない気持ち。
そういうものがこもった、置き土産。

これをナントカしなきゃ、フミさんの気持ちには応えられないんだ。

選手・フロント・サポ、一丸でフミさんの思いに応えなきゃいけない。
勝ち続けるために、フミさんの残してくれたものを育てなきゃいけない。

いろんなものをくれたフミさんに・・・
立場は変わっても、サッカーの道を歩むフミさんに・・・
「ありがとう」その言葉と、そしてフミさんが目指す道を
安心して進めるように、上を目指していく新たな決意を。

残ったものががんばらないと。

そしていつか。

再びフミさんを迎えるときがきたなら。


それを夢見て、おれたちはまた、歩き出す。

You'll never walk alone.





====<余談>===================

てゆか、フミさんがライセンス取ったらどうしよ〜(>_<)
困っちゃうなーもう!

ああでもヒロミとフミさん交代で監督すると
いいんじゃないかな(笑)
それか、最初はヒロミが監督でフミさんがコーチとかさ〜。
そのうちヒロミがGMでフミさんが監督とかさ〜〜〜。
ああもう夢が広がりまくりんぐだわぁ〜〜〜。
スーツでヒロミジャンプするフミさんとか想像するだに
ヨダレが(変態反対)

・・・・まあ夢を見るのは自由ということで(^_^;
今は壮大な夢だったとしてもいつかきっとかなう。
そう思うことが、今前を向くひとつの動機付けになると
思うから。


それにしても・・・別れのニュースが届く日は、
いつもオレンジ色の夕日が差し込んで、そのあたたかさに
いっそう泣けそうになるのだ。一体いつになったらこれに
慣れるんだろうね。
posted by 橘 千蔭 at 00:00 | 秋田 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー
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